涙〜あなただけが〜




「はあ、はあっ...香澄っ」



息が切れてる理由とか


必死で説明してる言葉もどうでもいいの






「晴人...っ」



ただあなたの顔が見れれば。





「あたし待ってるから話してきな?」



彩はニコッと笑ってクラスメイトの輪の中に消えていった




...話すことなんてないのに





「とりあえず座るか」



学校の近くの公衆電話のとなりに
座れる石畳を目指して歩いた



晴人のとなりに私がいる


私のとなりに晴人がいる





前なら幸せだったのに


なんで今はこんなにも苦しいのだろう







「..................」



「..................」



なんで、何も話してくれないの?



晴人の近くは苦しいよ



嫌な思い出だってたくさんあるのに
頭にあるのは幸せなことばっかり



美化されるって本当だったんだね





「......香澄...泣くなよ」



あの日と同じ台詞



でも、もう違う二人






それがどうしようもなく悲しくて





「...俺、やっぱり無理だ」



「.........え?」



ギュッと暖かくなった


私は晴人に抱きしめられていた




「香澄のこと、離したくない...!」



...どういうこと?