涙〜あなただけが〜




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いろんなものを見た


地割れした道路に

機能しない信号


断水に食料不足




コンビニに行ったらお酒の匂いが充満していて

食べ物など何一つなかった




3月11日は駐車場で夜を越した




いつ団地が壊れるかわからない



そう、みんなが噂をしていて



余震が起こる度に



「早く逃げよう! 崩れちゃうよ!」



狂ったように泣き叫んだ



「大丈夫だよ、大丈夫」


帰ってきたお母さんが優しくそう言っても
落ち着くことはできなかった




そんな日が一週間続いて

もう、おかしくなりそうだった