涙〜あなただけが〜

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「ただいま...」


「お、おかえりー!」




それでも家では平気に振舞わなきゃいけない


いい子で


手のかからない



完璧な”香澄”に。





「お母さんとお姉ちゃんは?」



「陽菜の懇談会だって」




「そっか」



夕飯食べて早く寝よう...


疲れた、何もかもに




「香澄」



「ん?」



「寒いからこっち来い」



__グイッ




そのままコタツにすっぽり入ってしまった



「あったかいなあ、香澄は」




いつもとちがうお父ちゃんに冷や汗が流れた



早く自分の部屋に行かなきゃ



「離して!宿題しなきゃ!」


「宿題なんか後でいいんだよ!」



そう言って肩に手を回す



嫌だ、気持ち悪い



「いい加減にしてって!!!!」



「いてっ!!!!」



手の甲を思いっきり引っ掻いて逃げた



「この!いてえよ!!!!」



コワイコワイコワイ



お母さん...!!






「ただいまーー!」


この時ほど安心したことはない



聞こえてきたのは確かにお母さんの声