「香澄」
──ドキッ
ふいに呼ばれた名前
久しぶりに私を呼ぶ声
たった二週間
でも晴人と連絡を取り合わない二週間は
とても長くて
だからこんなにも名前を呼ばれることを嬉しく思っちゃって
「...ん?」
...ダメだよ
うまく笑えない
「俺、お前のこと嫌いになったわけじゃないから」
「え...?」
「どっちかといえば、好き」
「じゃあ雅は...」
その名を口にした途端彼は力なく笑ったんだ
まるで何も聞くなと言うように
「俺、香澄だけは泣かせたくなかったのにな」
数回、頭をポンポンとして先に行ってしまった
わからない
何もかもわからない


