今……何て言うた?
『山崎さんにドキドキ』?
……俺の耳ひん曲がってしもたんやろか。
いやいやんな訳あるかいな。伊達に監察方やってへんで。
てことは、今のどこにそう思たんかは置いといてや。まさか……沖田くんてそっちの人なんかっ!?
そらうちにも衆道こそ武士道なり! とか言うとる人らもおるけども。
そらうちは男所帯やけれどもっ!
「お、俺はそっちの気はないからなっ! ほんま無理やで無理っ!」
「あ、大丈夫です。私もそっちの趣向はないので。ただ山崎さんって実は意外に面倒見がいいんだなってびっくりしただけですよ」
「なんや……」
焦らすなや。びっくりネタ仕入れたか思たわ。
てかんな冷静に返さんとって。びびった俺がなんか恥ずかしいやないかい。
「ふふっ、地が出てますよ?」
あ。
「こほんっ、……失礼しました」
「いえ。と言うか寧ろそっちが聞けて嬉しいです」
嬉しいですて。
なんなんこん人!? さらーっと爽やかな微笑みでそんなん言わんとって! なんかめっさ恥ずかしわ!
「お、照れてますね。可愛ーい」
ちょ、なんなんなんなん!? こん人と喋っとったら段々恥ずかしなってくんねんけどっ!
なんやこれは! 新手の虐めか!?
その澄んだ瞳は偽りか!?
そうやって女子をたぶらかすんやなっ!
くっ! この俺を謀るとは……!
「私ね、ずっと山崎さんが苦手だったんですよ」


