「うん! 此処は良いですよ、中々美味です、当たりですっ。ねぇ山崎さんっ」
「まぁ確かに美味しいですが」
にっこにこと嬉しそうにみたらしを頬張る沖田くんの隣で、俺も串に刺さった柔らかなそれを一つかじる。
別に俺は食べ歩いてる訳じゃないからあまり他とは比べられないものの、甘ったる過ぎないそれは確かに旨い。
だがしかし。
「些か食べ過ぎでは」
俺達の間には食べ終えた皿が既に数皿。
手をつけていない皿も数皿だ。
「え? だって折角の当たりですよ! 色々味わっておかねばっ」
だからて何も全種類頼まんでも。見とるこっちが胸焼けするわ……うぷ。
つい耐え兼ね顔を背ければ、俺達の掛ける床几にちらちらと視線が集まっている。
何かちょい前にもこんなんあったな……。
まぁ女子の視線が多い気ぃするんはこん人やからか。
おっとこ前やもんなぁ。
「どうかしました?」
「いえ。……あぁでも」
横目で眺める俺にきょとんと小首を傾げる様子すら似合い過ぎるその人に溜め息をついて懐に手を入れる。
「タレがついていますよ」
そして取り出した懐紙で茶色いタレが横に延びたその口許を拭った。
同時に小さくキャーと悲鳴めいたものが聞こえたのはたまたまだろう。
たく、子供やないねんから。
何か最近ようちっさい子の面倒みとるよな気ぃするわ。
まぁうちも年下多いもんなぁ。なんや年を感じるわぁ、くっ!
……ん?
「何か?」
何でんな目ぇむいとんねん?
口半開きやし。
「あ……や、いえ、なんかちょっと山崎さんにドキドキしてしまいました」
「…………は?」


