「烝くんとりんごくんは本当によく似ているな」
黙々と味噌汁を啜っていると、隣に座る島田が此方も見ず、呟くように話しかけてきた。
ここ最近は諸士調役の任はあまり目立った動きがなく、任務にあたる時間もほぼ一定。
なのでこうして毎日顔を合わせているのだが。
そのでかい図体を視界の隅に捉え、俺もまた前を見たまま呟く。
「何を今更」
「いや、今日は珍しく一緒に入ってきただろう。改めて並んだのを見ると生命の神秘を感じてな」
大袈裟やなおい。
てか俺には沢庵に砂糖乗せて旨そうに食うとるお前の方がよっぽど神秘やぞ。
「まぁりんごくんには泣き黒子があるし、口を開くとやはり若さがある故、見分けはつくがな」
……俺、喋りも老けとるんやろか。
「ん? どうした?」
「や、なんでもあらへん」
ええねん、此処での俺はこうやねん!
今更方向転換なんぞでけんわいっ。
……んなこたどうでもええねん!
「家茂公上洛の件は聞いたか?」
それよりこっちや。
五人いる監察の中でも俺だけは完全な副長付故に少し命令系統が違う。
とは言え平隊士には知らされていないし、俺の方が少々内容の振り幅が広いくらいで基本やってることは同じ。共に動くとこもある。
なので一言伝えておかねばならない。
「家茂公が?」
「ああ、後でまた話があると思うが先ず大坂に入られるらしい」
「承知した。此方は俺達に任せておけ」
皆まで言わずとも理解してくれるのは流石監察を任されているだけの人間だと思う。
「ああ、頼む」
朝餉が済むと、局長からの隊務の割り振りが伝えられる。
ここから漸く新選組隊士としての一日が始まるのだ。


