【完】山崎さんちのすすむくん



「あた……!」


何故か夕美が目を見開く。


……なんやねん?


「……ねぇ烝さん、実はよく女の人に勘違いとかされちゃってるんじゃないですか?」

「勘違い? 別に……てかあんま喋らんし」


男と話す方が断然多いしな。


おっきな情報持っとるんは断然男やし、たまに芸妓なんかに話し聞くんも女として混じった方が話も聞き出しやすいし。


それに昔からあいつ以外の女子とはあんま話したことないもんなぁ……。



「やっぱモテないくんなのかぁ……むむぅ、この時代はこーゆーのウケないんだ…」



なんや失礼なこと一人でブツクさ呟くなやおい。


そーゆうんはでかい声で直接ぶつけてくれんとネタにもならんやろ。


ただの寂しい現実を述べただけやん!


……ふん、ええもん別に。


俺はどっかの誰かさんらみたいな手当たり次第は好まんもん。ただ一人が傍におれば良かったんや。


なんとでも言うてくれ。



それよか……


「てかほんまに手ぇ冷たいな。ようこんな体温で生きてるわ」


こっちのが気になるわ。


「だって冷え症なんですもん」

「冷えは万病のもとや。帰ったらよもぎ煎じてやろ、湯で割って飲んだらええ。ぬくなるし冷えにも効く」


やっぱこーゆうんは見過ごせん。


人間健康でなんぼやからな。


これの身を預かるもんとして体調を崩させる訳にはいかん。



「ちょっ!? すっ烝さん!」

「ん?」

「手っ! 手っ!」


……手ぇがどしてん?


取り敢えず応急的にと口許で手にはぁと息を吹きかけたのだが。


「……ぬくいやろ?」

「繋いでるだけで十分です! 大丈夫です! 有り難うございます!」


何をそない焦る……?