く……!
ずずずと茶を啜るそいつが至極腹立たしい。
これでもかと眉間を寄せる俺を夕美はおどおどと上目で見やった。
「あの、駄目……でした?」
恐らくあいつが口先で上手く夕美を丸め込み、部屋に上がったのは想像に容易い。
「……まぁ、知らん男をほいほい上げるんはどーかと思うが、そいつの場合は確かにしゃーないわ」
なんせ、
「うぅ、だって間違いなく烝さんの親戚なんですもんっっ」
従兄弟の癖に何故かよう似た顔しくさっとるからな。
昔からどんなけ兄弟に間違えられたことか……。
深い溜め息をつきながら羽織の雪を払い落として部屋に上がる。
ぽんと軽く夕美の頭を叩くと、男の真向かいになるよう囲炉裏端に腰を下ろした。
「その用とやらは何や林五朗。てか何で此処がわかってん?」
「屯所に行ったら土方さんて人が教えてくれたんや」
……副長。
いくら親戚間違いなしや言うても隊士でもない奴に隠れ屋教えたらあきませんて……!
それとも何か? 実は急を要する事、なんか?
……これがわざわざ大坂から訪ねて来きたんやしな……まためんどい話か?
「で?」
面倒臭さ全開で続きを促すと、何故か林五朗は満面の笑みを浮かべた。
胡散臭いことこの上ない。
「いややわーそないな顔せんでもええやん、用言うてもただ挨拶しに来ただけやし」
挨拶? どーゆーこっちゃ……。
「俺も新選「新鮮な壬生菜が食いとーなったか!よっしゃなんぼでも食わせたるっ!!」


