【完】山崎さんちのすすむくん



そんな小さな変化で何となくバタバタしているところに追い討ちをかけたのが、屯所の移転。


この西本願寺の僧達が全要脚(ヨウキャク、費用)を賄い用意してくれた、これまでで初となる俺達だけの屯所だ。


まぁ移転当初から本意でなかった彼等の堪忍袋の緒が漸く切れたというかなんというか……。


まぁ体の良い厄介払いのようなものなのだが。


だがしかし、それでも一見公卿屋敷かと見間違う程の立派な高塀に門構え、更には厩(ウマヤ)まであるそこに局長始め隊の皆も満更でない様子。


俺はと言えば、昨日、離隊で揉めていた茨木以下三人の隊士が話し合いの為に訪れていた京都守護職邸において局長らの手で粛清された件の後始末に追われ、正直それどころではない。


のに移転もしなくてはならぬ忙しなさ。


頼むしそーゆぅんはうちの中だけにしといてほしいわ……ほんま。


直参召し抱えに反発していた彼等の言動に、局長がカッとなったであろうことは想像に容易い。


もう何度目かになる溜め息をまた溢し。


俺は一人移転作業をそこそこに、守護職邸へと重い足を運んだ。




それから。


脱走を企てた武田観柳斉の粛清。


局長の徳川御親藩会議(徳川家に縁のある藩の会議)への出席、そこでの土佐薩摩ら外様を批判する発言により、色々と擁護の根回しの為にあくせく奔走する日々が続いて。


漸く落ち着けたのは移転から半月程経った頃だった。










「大丈夫ですか?」