【完】山崎さんちのすすむくん


俺の隣ですっかり影が薄くなっていた林五郎がここぞとばかりに口を挟む。


二回も言わんでええねん二回も。


次の反応が予想出来た俺は、投げやりに団子をかじる林五郎についと眉を寄せた。



「え、何、山崎さんって実はおじさん!? 若作りっ!?」

「それで夕美さんのような若い女子を……やるな烝くん」


……ええやん別に。そのネタもー飽きたわ。ちゅか自分に若作りとか言われたないしな。


猫のような僅かにつり上がった大きな目をくるりと見開く藤堂くんと、割れた顎を擦り感心したように口角を上げた島田の視線が痛い。


予想通りの反応なのだが、じろりなめ回すその視線はやはり居心地悪く、そんな己の気を紛らすように摘まんだ団子を一口頬張った。


「え、いいの夕美ちゃん? 何でこっち? こっちでも一緒じゃん! 寧ろこっちの方が色々」

「人に指を差さない、物扱いしない」

「い゛っでででっ!」


失礼過ぎるにも程があるやろ。


そら似たよな見目しとるけどおんなしちゃうわいっ。


真っ直ぐに伸ばされた藤堂くんの指を摘まみ、思いっきり上向きに反らしてやると直ぐ様それは引っ込んだ。


色々──それは前言った琴尾のことも含まれているんだろう。


でも、年齢のことも林五郎のことも琴尾のことも。


過ぎたこととはいえ俺達なりに悩んだのだ。今更関係のない人間にそんな風に興味本位でほじくり返されたくない。


ふんっ、自分はもっと教養を身に付け教養を! 慮(オモンパカ)るっちゅうのを学ばなあかん。




「一緒じゃないですよ」