「──で?」
でぇやあらへん、でぇや。
みたらしを頬張る藤堂くんが可愛らしくコクリと首を傾げる。
興味津々たる様で目を輝かせる姿は、一見尾を振る仔犬のように愛らしく見えるから恐ろしい。
中身は全っ然かわいないけどな……。
そんな俺の思いなど知る由もない夕美は、藤堂くんの笑みを受け、同じくにこりと小首を傾げた。
「はい?」
「やだなーさっきの話だよっ。もーやっ」
「下衆い話は止めてください」
また自分声でかいしなっ!
最後まで聞かずともわかってしまったその言葉を、それ以上言わすまいと手にあったみたらしで口を塞ぐ。
目だけに怒りを籠めて微笑むと、モグモグと団子を咀嚼した藤堂くんがニタァと愉しげに目を細めた。
「へぇ、そーなんだ」
……何がそーやねん。
「何がそーなんです?」
「えー? ほらやっぱり山崎さんが言う通り此処じゃぁあれなんで止めときますねっ」
その焦(ジ)らしめっさ気になるからな!
だけれども確かにそう言った手前、これ以上話に食らいつく訳にもいかない。
仕方なく口をつぐんだ俺の隣で夕美が代わりに会話を拾った。
「えと、歳はその、二十歳です、多分」
「えっ、そーなの!? もっと若いと思ってたよっ! てか山崎さんっていくつ?」
「そーいや俺も知らんな」
「あーお兄は三十二や三十二」


