元々約束のあった林五郎と二人屯所の門を潜ってすぐ、後ろからひょっこりと現れた割れ顎と腹黒。
隠れることなく堂々と俺達の少し後ろをテクテクとついてきて今に至る。
「えーたまたまですよー? 甘い物食べにきたらたまたま同じ店でたまたま相席になっただけですよねぇ?」
「そう、別に二人の様子が気になったからではないぞっ。見れたら良いなとかは断じて思ってないからな!」
思とったんやな。
中々気があう様子の藤堂くんと島田の凸凹組に思わずスッと半目になる。
しかし、撒こうと思えば撒けたのをあえて放置したのはこの俺だ。
下手に隠そーとかしたらなんか余計面倒臭そうやしな……。
またも溢れそうになる溜め息を深呼吸に変え。
「ではここの勘定は唯一の助勤である藤堂さんにお願いします」
せめてもの仕返しをさせてもらった、……のに。
「あ、いーですよ。その代わり遠慮なく混じりますけどねっ」
ニヒ、と黒い笑みが返ってきた。
……金持っとる奴はこれやからあかん。もっと苦労せぇ苦労をっ!
先行き不安な今日という一日に項垂れて。ちらりと隣に視線を送った。
「ちと五月蝿いかもしれんけど堪忍」
「初めましてー僕藤堂平助宜しくねっ! で、夕美ちゃんって若いよねーいくつ? 馴れ初めは? 二人ってどこまでい゛っ!?」
「ガツガツ来すぎやっ! せめて団子頼んでからにせぇっ!」
……選択間違(チゴ)うてしもたかもしれん……。


