よぉ見る、っちゅうか毎回おるけど。
そら山南さんとは割りと仲良かったように思うけど、学に興味があるかっちゅうたらそこはそうでもなさそうやったのに。
話を変えるついでに気になっていたことを問えば、藤堂くんは得意気に顎を上げた。
「だって伊東先生の話ってわかりやすいんですよねー勉学もそれ以外も。久々に色々話してたらもっと知りたいって思ったんですよ」
揚々と話す藤堂くんは珍しく素直な心情を語っているように見える。
そーいや伊東さん誘ったんて元は藤堂くんやったっけ。確か寄り弟子とかなんとか。
こんなけこん人が懐いとるっちゅうことは、やっぱり尊敬出来る師なんやろなぁ。
こない近ぅで見とったら殊更よぉわかるもん、確かにええ人や。
「それに、これからは僕も僕なりに考えなきゃって……思って」
ぽそり、呟かれた言葉はいつものその人からは考えられない程に真剣で、思わずじっとその目を見つめてしまう。
「ちょ、何そんな意外そうな顔してるんですか。そりゃ僕だって真面目に考えることだってあるんですよーだっ」
あかんべをしながらテテテと駆けていく姿は、照れ隠しにも見えないことはない。
黒さがこ削げ落ちたような今日の藤堂くんに小さな感動を覚えるも──
一応、報告しとこか。
同時に妙な引っ掛かりも感じた。


