俺の肩に顎を乗せるその表情は窺い知れない。
「ん」
こくりと唾を飲む音をすぐ横で聞きながら、俺は言葉を待った。
「今日、皆の診察が終わったら、土方さんの所に行く前に私の部屋に来てくださいませんか?」
部屋に? 今此処では話せへんことなんやろか。
「それは構いませんが……」
「お願い、します」
何故局長や副長でなく俺なのか。
そんな疑問はあったものの、相談役として選んでくれたのに嫌な気はしなかったし、自分から何かを話そうとしてくれたのがまず嬉しかった。
微かに頬を緩ませると、低く念を押すように呟いた沖田くんの頭を掌で軽く二、三度叩く。
「大きな童ですね」
だからこそつい気になってしまうのだけれど。
時に大人びた顔を覗かせたかと思うと、時に子供じみた反応を見せる。
そんなどこか不均衡な沖田くんが可愛くもあり──心配でもある。
結構自分にゃ無頓着やさかいな……ま、おもりも頼まれとることしやっぱり俺が面倒見たらんとあかんか。
改めてそう思い直し、無言でぎゅむと抱き付く沖田くんに再び声をかけようとした時だった。
「総司が山崎を襲ってる……!」
「そして山崎がそれを受け入れている……!!」
そんな阿呆二人の声が聞こえた。
「沖田助勤」
「わかっています」
皆まで語ることもなく沖田くんと意思を通わせ、おもむろに立ち上がる。
「あ、朝からこんなとこで盛るのは良くないと思うぞ!? なぁ新八!」
「そ、そうそう! お前らだとなんか妙にやらしいっつうかさ! そういうのはやっぱ夜こっそり頼むぜ! なぁ左之!」
でかい声で妙な想像を断定して話す二人の助勤に、少し口を閉じてもらったのは、致し方ないことである。


