【完】山崎さんちのすすむくん




それから数日。



将軍家茂公の上洛にあたり、新選組は三条蹴上から二条城までの警護を任された。


それだけでも『大変名誉』と至極上機嫌であった近藤局長が、その日の夕餉の際、ニコニコと仰られたことに皆がざわつく。



「このところ体調の悪い者が多いだろう? そう話したら一度全員を診てくださることになってな。何、心配せずとも良い。先の東下でもお会いした確かな奥医者(幕府の医官)だ!このような機会は滅多にないぞ! いやー良かった!」



此度の将軍上洛に同行されている医師による隊士の健康診断があるという。


しかも──明日。



まぁ、家茂公も何日かしたら下坂しはるらしいし急なんはしゃーないか。


確かに体調悪そな連中多くてかなんし。


それに将軍御抱えの奥医者さんの診察間近で見れるとかめっさワクワクするしなっ。


確か蘭方医とか聞いたけど、奥医師やったら使てるもんとかもちゃうんやろなー。


うわーなんか普通に話ししてみたなってきたわ!



「でだ。山崎くんには明日、先生の手伝いをしてもらいたいと思っているんだがどうだろう?」


漢方医学を学んだ元町医としての血が沸々とたぎっていれば、聞こえた局長の言葉につい頬が緩みそうになる。



「勿論、私で良ければ喜んで」




うん、今日は早よ寝よ!