スッと鋭くなった視線が俺を刺す。
「そいつがどうも近藤さんをそそのかしたらしい。当の本人は突然の上役の座に驚いてやがった、ありゃ素だ」
此度の東下は副長と斎藤くん、そして伊東くんの三人で行われた。
道中を共にし、間近で伊東くんを見ていた副長がそう言うからには間違いない。
窺うべきは取り巻きか。
伊東くん人寄せにつこてなんややらかそ思とんちゃうやろな。
「では俺が」
「ああ、任せる」
居住まいを正し、短い会話を交わす。
これが副長付きとしての任務の合図だ。
燃え尽きた煙草をこつりと落とすのを確認し、失礼しますと爪先を立てたところで何故か副長がハッとしたように袂に手を入れた。
「忘れてた、やる」
?
ヒュン、と目の前に飛んできたのは何やら細かな音のする小さな紙包み。
この手触りは……金平糖?
「土産だ」
話の流れに全く関係のないそれに首を傾げると、更に以外な言葉がかけられて。
「あ、有り難うございます!」
思わずひれ伏す。
家宝や……っ!
「気にするな、おこしの礼だ。……ま」
しかしながら何か含みを持たせるように言葉を句切り、副長はニヤリと口角を上げた。
「それだったら例の『迷い子』に会う口実くらいにゃなんだろうと思ってよ」
……夕美のことですかいっ!


