その澄んだ目に、何故か射抜かれたように動けない。
『構へん』
それが何を指すかは、聞かなくてもわかる。
姉と夫婦(メオト)であった俺を。
己が気を寄せていた夕美を。
そういう仲になっても良いと、こいつは言っているのだ。
……ちと、びっくりやねんけど。
姉ちゃんが大好きで、やることなすこと全部餓鬼っぽい癖して、いつの間にこない殊勝なこと言える奴になってん。
嬉しいような、寂しいような、でもやっぱり嬉しいような、何とも言えない想いが胸に湧く。
おとんか、俺。
なんて思いつつも、赤子の頃から知る義弟に、実の兄の如く慕ってもらえていると改めて伝わってきたことが素直に嬉しくて。
「おおきにな」
俺は少し照れ笑いになりつつ微笑んだ。
「ほな」
「せやけど」
再び、何かを言いかけた林五郎の言葉を遮る。
僅かに眉を寄せたそいつに苦笑いになりながら、そっと頬を掻いた。
「まだそんなんやないっちゅうか……よぅわからんねん。あれの気に気ぃついたんもこん前やし歳も離れとる。まぁかいらしなーとは思うけど、それは自分とか沖田くん見とっても思うし……」
いきなりええよー言われてもほんまにわからへんわ。
それに、や。
あいつ自身の問題は解決した訳やない。あいつがもしこんままを望むんやったら例え俺が好きや思ても……。
好きやて!
うわ、なんやろ、そーゆぅん久々過ぎてちょい照れるわっ。
琴尾とも長かったしなー普段あんまそーゆぅん口にせんかったもん。
や、別に情がなくなってもーてたとかやないで!?ちゃんと好いとったさかいになっ!
「……何コロコロおもろい顔しとんねん、お兄」


