その言葉に胸を突かれる。
……確かに、入隊したばかりの頃は全てが色褪せて見えとった。
仕えるんは副長。やるべきはあのお方を守り支えること。
その他と馴れ合う気ぃもあらへんかったし必要もないんや思とった。
……けど、豪気な島田も、犬っころみたいな沖田くんも、性悪で寂しがりな藤堂くんも、阿呆で間抜けで真っ直ぐな原田永倉組もその他の個性豊かな面々も案外、嫌いやなくて。
いつの間にかおっきな家族みたいなこの新選組そのものが俺の守るもんになっとった。
今俺がこうして仕事に打ち込めんのも感情があるから……なんかな。
感情があるから苦しいんやなんて思とったのに、感情に救われるんか。
そんな時、ふと思い出されるのは以前沖田くんが言っていた言葉。
感情があるから人、か。
……わかっとるんや。
琴尾が死んで、心の奥底に沈んだ俺の手を引っ張ってくれたんはあいつやって。
思いの外、でっかく俺ん中居座っとるって。
やからこそ、この半端な状況にもやもやするんや。
俺はあいつの想いには答えてやれん。
答えたら、あかんねん。
あれはいつか元の世に帰らなあかん人間や、こっちに下手な未練なんて残したらあかん。
後腐れなく帰る為には情なんて残したらあかんねや。
あれの事情を知っとる俺だけは。
それに俺は、俺には……琴尾がおるんやから。
「何故、そんな顔をするのですか?」
「……え?」


