翌朝、沖田くんと共にその人は戻ってきた。
それは驚く程普通に。
普段と変わらぬ柔和な笑みを浮かべた山南さんは、何も知らされていない平隊士とすれ違う時にもいつも通りの挨拶を交わし。
沖田くんのあとに続いて局長、副長の待つ部屋へと入っていった。
話し合いはほんの四半刻程度だったように思う。
先に局長室から出てきた沖田くんの何かを堪えた顔とは対照的に、その人の顔は何故か晴れやかだった。
──切腹
局長の口から下された処分は勿論それだ。
刻限は暮れ六つ。
それまで山南さんの身柄は逃げられぬようにと、見張りつきで格子窓のある一室へと置かれることとなった。
「おや、次は貴方ですか」
井上助勤と見張り役を交代し、行儀悪くも後ろ手に障子を閉める俺に柔らかな笑みが向けられる。
それはまさに何かを悟りきったかのような、仏の笑み。
「……総長」
「まぁまず座ってください。こんな何もないところに付き合わせてしまってすみませんね、お詫びに話し相手くらいなら幾らでも付き合いますから」
くすりと笑ったその人に、どうぞと座布団に促される。
それすらいつもと変わらぬ柔らかな物腰で。
え、でも何で真横?? 普通向かいとかちゃうん?
「……失礼します」
という言葉は飲み込んだ。


