場所を教え、諸々を説明し。
「……ト、厠って共同なんですね。しかも外だしぼっとんだし」
表から戻ってきた夕美はそんなことを呟く。
「普通やろ、あんなんうちん中あったら臭いやん。お前さんのいたとこではちゃうんか?」
「う、確かに。未来では水洗だから臭くないし、どの家にもありますよ」
「水仙?」
「はい、水で流すんですよ」
「へぇ、ほな畑には撒かんのか?」
「ええっ!? 畑に撒くんですかっ!?」
「……堆肥にしてからな」
……今一よう理解出来んのはこいつの説明やからな気がするわ。
込み上げる溜め息をふうと吐き出し項垂れる。
こんまま此処で話聞いてもいいんやけど……若干時間が勿体無い気がすんな。
それならば、と再び夕美に顔を向けた。
「……さっき風呂とか言うとったな? 入りたいか?」
「あ、はいっ! 昨日川に浸かってそのままだし、なんか頭とか気持ち悪くて」
……そういやそうか。
言われてみれば心なしか頭が砂っぽい。髪の短い俺ですらそう思うのだから長い夕美は尚更だろう。
ふむ。
「ほなまず頭でも洗うか」
「まず? って、どう見てもお風呂なんてないんですけど、もしかしてお風呂も共同……とか?」
夕美は怪訝に顔をしかめ、俺を見やる。
「まぁ共同っちゃ共同やな」
「ま、まさか五衛門風呂!? 烝さんが側で薪くべながら『湯加減どーや?』的な!? いやいや、そんなの絶対無理ですっ!」
「勝手な妄想で人に台詞まで喋らさんといてくれ」
……そない全身全霊で嫌がらんでもいーやん……。


