そんなこんなで帰りついた壬生の屯所。
副長室にて西本願寺との話の報告を終え、夕餉を済ませた俺は遅い風呂へと入りにいく為に再び外へと出たのだが。
てくてくてく ピタッ
てくてくてく ピタッ
てくてくてく ピタッ
てくてくてく ピタッ カサッ
少し後ろを物凄く下手糞な尾行がつけてくる。
……いつ声掛けてくるんやろ。
なんて思いつつ黙って先へと進む、
が。
てくてくてく ピタッ
てくてくてく ピタッ
てくてくてく ピタッ
てくてくてく ピタッ カサッ
「だあーっ! 自分分かりやす過ぎんねん!! 話あんねやったら早よ話しかけてこいやっ!」
あかん! 乱破として堪えられへんわ! バレバレ過ぎるやろ!!
カサッて何やねん! 隠れるんやったらもっと静かに隠れろやっ!
横へと延びる建物の隙間の細い路地。
そこに潜む見知った気配にそう叫べば少しの間のあと、それは気不味そうに口許を結びゆっくりと姿を現した。
俺と同じ、藍色の着物を身に纏ったそいつは、左目下の黒子がなければ確かに見分けることは難しいかもしれないなと思う程俺によく似ている。
実の弟のように育ち、従兄弟であり義弟でり、最近ずっと俺を避け続けていた──林五郎だ。
また突然やな。
……昨日伊東くんが見たっちゅうんとなんや関係あるんやろか。


