「ほんっとーにごめんなさいっ!!」
掌に顎を乗せ、どしりとかいた胡座に肘をついた俺の目の前で、夕美は必死に俺を拝む。
「ワザとじゃないんですっ、ごめんなさいっ」
片目の周りを赤くした俺を。
それはあれから暫く経った時のこと。
今度はかいまきごと転がってきたこいつの寝返りと言う名の裏拳が見事に入った。
よもや失明の危機や。
「……素敵な目覚めを有難う」
「うわぁあん! すみませーんっ!!」
合掌した手を掲げ、正座した体を綺麗な二つ折りにして謝る夕美。
夜明け前にもおもいっきり横っ腹を蹴飛ばした事もすっかり記憶の外らしい、が。
「……もぉええよ」
んな必死に謝られると俺が悪いことしてる気ぃになってくるわ。
「うぅごめんなさい」
「もぉええって! ま、取り敢えず」
しゅん……、と耳を垂らした夕美の頭にぽんと手を乗せ立ち上がる。
「腹ごしらえしにくで」
腹が減ってはなんとやら、やしなっ。
「……ぷぷっ、何かその目の回り笑えますね」
「お前が言うなや、お前が」
「す、すみません……」
「……ほんでや」
近くの店で買ってきた握り飯を食べながら話を切り出す。
「お前さんが未来から来たって思った根拠はなんや?」
「ほれはへふねっ! まふぃまふぃが」
「や、飲み込んでからでええ」
餓鬼のお守りか、俺は。


