【完】山崎さんちのすすむくん


つい夜空に突っ込みを入れた俺に、夕美は拗ねたように口を尖らせる。


「だって私歴女じゃないし」

「なんやねんそのれきじょって」

「歴史好きな女子ですよ」

「ほなお前さんは俺らについてはなーんも知らんの?」

「えー? 名前とー沖田って人とつちかた……つちほう? って人がいたことくらいならなんとか」

「ちょ、ちゃうちゃう! どっちもちゃうわ! ひじや! それひじかたさんやっ!」


つちほーて! 原型どこやねん!


しかも局長と総長を差し置いて沖田くんかい! どーゆーこっちゃ!


……、ちゅうかそんなけ?


……。


「なぁ一個聞くけど、なんで俺らんな有名になってんの?」

「……なんででしょうね?」

「俺に聞きな」


あかん、やっぱこいつ阿呆やった!!


……や、まぁ知りたい訳ちゃうし別にええっちゃええねんけど。


兎に角! 俺らのやっとることは後々認められるっちゅーことやんな。ほなら俺は自信持って突き進む。


元よりこの命を賭する覚悟や。


もう、俺には失うもんもないねんから──



すっと表情をなくした俺に、でも、という声が聞こえ。


夕美に顔を向ければ再び頬がぷっくりと膨らんでいる。


「昨日は本当にビックリしたんですからねっ! あんな美人の知り合いいたんだってヘコ……っ」

「……へこ?」

「何でもないです! 美人でびっくりしましたっ! それにっ」