【完】山崎さんちのすすむくん







その後、怪我をした者は手当ての為に祇園の会所へと運び。


動けるものは遅れてやって来た会津や桑名などの藩兵と共に残党狩りに町を馳せた。


池田屋内で討ち取った浪士は宮部や長州の松陰門下である吉田稔麿を含む七人。


副長らが駆けつけてからは斬り捨てから捕縛に切り替え、召し取ること四人。


市中の残党狩りにて捕らえた人数は、後日示達があるだろう。


対して我ら新選組は奥沢一人が討死。藤堂助勤に新田と安藤が重い傷を負ったものの、あとはそんなに酷くない。


二十人余りを相手とする今回の大捕物にて、それだけの被害で済んだのは幸いだ。


それで京を火の海にするという奴らのふざけた目論見を阻止できたのだから。


掃討を終え、漸く帰屯を果たしたのは翌日正午。


局長、総長、副長らは早速事後処理に追われ。


俺もまた怪我人の手当てに奔走する間に気付けば日が暮れていた。















薄雲が夜空を覆い、そこには月だけが朧気に弱い光を放っている。


昨日の今日だ、関係のない浪士達も鳴りを潜めているのか、いつも以上に静かな夜。


温く湿った風が吹き抜ける三条の通りを、ただ黙々と歩き進む。


そして、明かりの消えた藤田屋の前に、そいつは膝を抱えてしゃがみこんでいた。



「すまん、待ったか、夕美」