そんなことを考えていれば、また中から誰かが姿を表した。
局長の養子である近藤周平くんだ。
そしてその肩に担がれているのはこれまたぐったりと意識のなさそうな沖田くんで。
その姿はやはり恐ろしい程に血にまみれている。
「どうしました!?」
「へ? あ、よくわからないんですが二階で倒れていて……」
「見せて下さい!」
藤堂くんの横に同じように寝かせ、その血塗れの着物の合わせを広げる。
けれどどうやら全て返り血のようで沖田くんに斬られた様子はなく。
どうゆうこっちゃ……っ!?
しかし少しばかり触れたその体は、燃えるように熱い。
中暑……暑気あたりか!
「周平くん! その辺で水を沢山もらってきて下さい! あと手拭いもお願いします!」
「へ? は、はいっ!」
沖田くんの羽織やら着込みやらを脱がせつつも指示を出せば、周平くんは慌てて走っていく。
すぐに冷やしたらいける筈や……! 二階は蒸しとったからな、律儀に羽織なんぞ着とるからや!
内心ぶつくさと突っ込みつつも、周平くんの持ってきてくれた手拭いを濡らし手早くその体に掛け、少々強引に口へと水を含ませた。
そうこうしている間にも、気が付けば周りは所司代や奉行所などの役人や藩兵たちが取り囲んでいる。
何やら土方副長と言い争っているようだが、今の俺の為すべきは負傷した者の処置。
役人の対応は副長に任せておけばまず心配ないだろう。
そして、討ち入りが始まって一刻が経ったであろう時分。
漸く池田屋の中が静かになった。


