俺の考えることくらい、おとんには簡単にわかって当然だろう。
心を見透かしたような言葉は然程驚くことでもない。
今だってそんなことに胸を衝かれた訳じゃない。
そんなことやなくて……。
「……」
何かを言いたいのに、上手く言葉が見つからなくて口を開けない。
頭の中でさっきの言葉が意味を探してぐるりと渦巻く。
いや、一つしか思い浮かばない意味を受け入れたくないからだ。
それは、琴尾の両親からの拒絶。
……まぁ俺が琴尾を京に連れてったんやもんな。幸せにするどころか守れんくて……死なしてしもて。そら、会いたくもないわな。
チリチリと胸を焼くのは地獄の業火。
だが、それは受け入れなければならない俺の咎だ。
密やかに奥歯を噛み、じっとその目を見つめ返すだけの俺に、おとんは眉一つ動かさず言った。
「……そんなことより、今のすーちゃんに出来る方法で人の役に立ってくれてたらええ。きっと琴尾もそう望んどる。せやから帰ってくるんはも少し落ち着いてからにし。林五郎を、すーちゃんの弟をよろしゅう、やと」
……。
「っ、妙な間を空けんな妙な間をっ!」
その間は胃に悪いっ!
一瞬本気でめげたわ! 泣きそうなったわっ!
……色んな意味でっ。
てかおとんの口からすーちゃんとか出たのにもびっくりやしな! なんかめっさこそばいやんか! おっちゃんの台詞そんまんま過ぎ!
「ふん、お前が勝手に先読みして勝手にしょげくさっただけやろが。まぁ、伝えるもんは伝えたし聞きたいもんも聞いた。うちにも暫く来んでええ」
未だ治まらない動悸と熱とむず痒さに深く息を吐き出していれば、おとんはいつもの仏頂面で立ち上がる。
「ぁ、おと……、父上!」


