食人姫

歩く事5分。


勝浩の家にやって来た俺達は、自分の家のように蔵の方に歩いて行く。


そして、扉が開いた蔵の入り口に立って、勝浩を呼んでみたけど……返事はない。


「いないみたいだね。どうすんの?直人も姿が見えないし、今から探すにしても時間がないよ?」


「そうだな、いねぇなら仕方ねぇ。お前を送って行くついでに、直人が田んぼにでも落ちてねぇか見てくるか」


空が赤く染まっている。


影が長く伸びて、もうすぐ夜が到来するというのを教えてくれていた。


「もう夜だってのに……二人ともどこに行ったんだよ」


下手すれば、俺と由奈が昨日遭遇した化け物に襲われるのに。


そればかりを気にして、未来を家まで送る為に歩く。


ここは神社に続く参道。


道の両脇に、等間隔に提灯が並べられている。


儀式は……明日行われる。


何も解決策が浮かんでいないのに、準備だけは着々と進んでいるのがもどかしい。


この先の神社で……麻里絵は。


そんな事を考えて、山の入り口にある赤い鳥居に目を向けた時だった。










「な、なんだよあれ……」











俺がそれを見付けたと同時に、哲也が声を上げた。