「もしもし!タケちゃん?!」

『あ、桃ぉ〜??』

酔っ払いのタケちゃんの声が聞こえた。

「……酔ってるの?もう帰ってきた?」

『まだー、終わりそうにねぇわぁ。』

「え?!…遅くない?」


きっと居酒屋にでもいるのだろう、店員さんの声が電話越しに聞こえる。

席を抜けて電話をかけてきてくれた様子。



『もし、咲希が寝ちゃったらっと思って先に電話したぁ〜。……ごめんな。』


酔っ払ってた喋り方がいきなり真面目になるから、ドキッとした。

多分、ドタキャンのことを謝ってるんだよね?



「もういいよ〜、また埋め合わせし」

『タケちゃ〜〜ん?!まだぁーー???』

電話越しに女の子の声が聞こえた。

『誰ー?カノジョとでも電話してんのーー?』


許そうと思ってた気持ちが一瞬にして消え、怒りに変わった。