公立中学のプールは、ほとんどが屋外にある。


そのため、水泳部の活動は、
プールが使えるようになるまでの、春のうち、
陸での、体力づくりが主だった。


6月に入ると、
直ちに部員は呼び出され、
名誉なる、プール掃除を命じられた。


これは、毎年の恒例行事らしいのだが、
今回が初めての経験となる、1年生部員は、
はじめのヌメリに戸惑う者ばかり。


また、その日はよく晴れて、

もともと、皆、ジャージの下に水着を着て、作業をしていたのだが、

分かっていた男子部員達は、

ほとんど、掃除も終了に近づいた頃、
海水パンツになっており、

コレもまた、恒例の
激しい、水かけ合戦が始まった。


なんでも、
少し遅めの、新入男子部員歓迎行事らしく、

これから、裸の付き合いとなる手始めの、スキンシップなんだとか。


そんなこと、聞かされていない1年は、
ジャージごとずぶ濡れで、

出遅れた琴乃は、
この頃、髪が短かった為、
男子と間違えられ、水をかけられるハメとなった。


この時、間違えた人物こそが、駿祐で、

部員でもないのに、
掃除の手伝いに来ていた、この日

クラスの違うふたりが、
お互いの存在を知った、はじめての日となった。


それにしても、インパクトのある出逢いだ。