ある意味これは、一種の“一目惚れ”って奴だと思う。
好きな人は中身で選ぶ派だと思ってたのに。
まさかの面食いだっとは‥。
「い、いやっ、違う!ただ、…、」
ぶんぶんっ、と自分の脳内の考えを否定して、ぬいぐるみを抱き締める腕が強まる。
ただ、目が合った瞬間に微笑んでくれるあの優しい緑色の瞳が、綺麗で、飲み込まれてしまいそうで…。
思い出しただけで、胸の奥がキュンと疼く。
でもそれと同時に、中の下な見た目の私じゃあ彼と釣り合わない事も分かっていて。
だから私は、湧いたこの想いにもう一度気付かないフリをした。
“私なんか相手にされる訳ない。”
そんな事、私が一番良く分かってるから。
だから秋とは、友達のままでいい。

