Half&Half









「あっ、じゃあ私は何て呼べばいいかな…?」

咄嗟にそう聞き返してみる。
王子は“僕?”と自分を軽く指差していて。

だって“王子”って呼ぶのは嫌がられそうだから。

「あー、そうだな。‥普通に秋でいいよ。」
「へっ、‥?!」
「ん?」

そ、そそそそんな、そんなあっさり名前呼びにOKが出るだなんて。
王子様、少し開放的過ぎます。

「い、いいの?」
「え、何が?」
「名前で、…呼んでも。」
「ははっ、うん。名前で呼んじゃいけない法律だなんてないだろう?構わないよ。」

そう言って可笑しそうに笑う。

「それに僕だって君の事名前で呼ぶんだから、君にも呼んで欲しい。」

───ドキッ、

心臓が跳ねる。
呼んで欲しい、とかそんな言葉吐かないで欲しい。勘違いしそうになるから。

「ねえ鈴、呼んで見てよ。僕の名前。」

そうあっさりと私の名前を呼んで。
それだけで跳ねる私の心臓は、どこか可笑しいのかな。

ベルベットの声は相変わらず私を誘い出す様に甘くて、甘美で。

「‥…、秋。」

名前を呼べば、弾ける様な笑顔が顔一杯に広がる。

「今日から、改めてよろしく。鈴。」

そう言って片手を差し出すから、私は恐る恐る同じ様に手を差し出した。

「よろしくね、‥秋。」

そろそろと差し出した手を軽く握られる。

その時一瞬だけ、ピリッ、と電流が走った様な感覚がして驚く私。

咄嗟に見つめた秋の顔は少し驚いていて、それと同時に彼の瞳は、何だか少し
熱っぽかった。