Half&Half










「僕は王子には相応しくないから。」

そう呟いて、その先は教えてくれない。
何だか聞いちゃいけない様な気がして、私は口を噤んだ。

王子様みたいなルックスなのに、
“王子様に相応しくない”?

一体どういう意味なんだろう。

そんな私の疑問は当然聞ける訳が無くて。

「ごめん。何か重くなっちゃったね。僕が聞きたいって言ったのに。」

そう言われて、無言で軽く首を振ってみせる。
そんな私を見つめながら、王子は話題を変えるように口を開いた。

「そういえば僕、ずっと君の事“君”って呼んでるよね。呼び方変えてもいいかな?」
「へっ、え、あ、うん全然大丈夫っ、」

そう言えば少し安心した顔。

「何て呼べばいい?」
「え、あ、好きに呼んで大丈夫だよっ。遙でも鈴でも何でも‥。」

そう言えば、少し考える様に顎に手を添えて、王子は少しだけ首を捻る。

「じゃあ、…鈴。」
「え、?」
「あ、イギリスでは名字よりも名前で呼んでる事が多いから楽なんだ。君が迷惑なら“遙”でも…。」
「あ、ううんっ、いいの。鈴で大丈夫!」

そう言ってブンブンっと両手を振る。

まさか突然名前を呼ばれる何て思わなかったから、心臓のドキドキが収まらなくて。

「‥うん。これからは鈴って呼ぶよ。」

そう言って笑う王子は、何だか少し嬉しそうだった。