「きっと笑われちゃう。」
そう言って苦笑いをする私。
きっと今私の顔は赤い筈で。
「全然構わないよ。…なに?」
何て言って私を捉える瞳は一点の曇りも無い。逃げられない。
私は諦めて口を開いた。
「凄く、…綺麗だと思ったの。貴方の髪の色。カーブが掛かって、太陽に反射して、キラキラで‥。」
言葉を口に出す度に声が小さくなって、少し途切れる。思っていた事を口に出す何て、そんなのは恥ずかしすぎる。
彼は頬杖を付いて、私を見て口角を軽く緩めていて。
その姿は、まるで本物の王子様のようだ。
「…‥、」
「その様子じゃ、まだ続きあるんだよね?」
「へっ、…え、いや、‥、」
「言ってよ。気になるな。」
そう言って私を誘い出す。
顔が熱い。ものすごく。
バクバクと心臓は脈を打って、私は半分ヤケになりながら口を開いた。
「…お、‥王子様、みたいだなって、思ったの‥。」
「…“王子様”?」
「っっ、‥!」
聞き返されて思わず両手で顔を隠した。
駄目だ。限界。
今なら恥ずかしすぎて死ねる。←
本人の前で王子様だ何て。
何てメルヘンチックな響きだろう。
馬鹿丸出しだ。
「っ、ごめっ、…気にしないで!」
そう言ってブンブンっ、と両手を振ってみせる。顔は逸らしたままで。
「‥王子、ね、…。」
もう一度そう呟いて黙り込む王子。
私は恐る恐るその顔を捉える。
バチっ、と目が合ってしまって、ビクッと体が震えた。
王子の顔は少し、険しい。
すると今度は苦笑い。
「僕は、…王子なんかじゃないよ。」
そう呟やかれて、不快にさせちゃったかなと不安になる。
「どうして‥?」
少し上擦った声でそう聞けば、王子は切なげに眉を下げた。

