─────鈴side
予鈴が鳴る2、3分前ギリギリに王子様は戻ってきて隣に座っている。
あの名瀬くんと積もる話でもあったのかな。
少し早歩きで来たのか、王子の髪は少し乱れていて。
蜂蜜色の髪は緩やかにカーブを描いていてとても綺麗。
そんな姿でさえも、モデルの様に見えるのだから本当に彼はすごい。
そんな風にぼんやりと頬杖を付いて眺めていたら、バチ、と目が合ってしまった。
私は慌てて視線を外す。
流石に見すぎてしまったみたい。
するとまたクスッと笑われた。
「…僕の顔に何か付いてる?」
「へ、あ、いや何もっ、‥。」
「そう?見てるから、何かあるのかと思って。」
そう言って笑う顔は、優しい。
「いや、別に何でもないよ…?」
見とれていたなんて、そんな恥ずかしい事言える訳がない。
「はは、本当かな‥?」
何て、茶目っ気たっぷりな緑色の瞳が揺れる。
こんな表情をするのに、どうして皆、彼が近寄りがたい雰囲気を醸し出してる何て言うのかな。
「…っ、」
「ねえ、本当は何を考えてたの‥?」
そう誘い出す様に囁く王子。
私は両手を上げて降参した。

