「ごちそうさまでした。」
何て呟いて両手を合わせる。
そんな私を見て玲が笑った。
「ふはっ、お前なんか口に付いてるぞ?」
「へ、嘘っ、」
そう言いながらゴシゴシと口元を拭う。
「あー、馬鹿そこじゃねえよ。俺が取ってやるから。」
何て言いながら、近くの紙ナプキンを手にして、私の口を軽く拭いてくれる玲。
トン、と優しく拭ってくれる。
その時、軽く唇に玲の指が触れて、バッ、と玲の手が反射的に離れた。
「っ、あ、っ、わりっ…!」
そう言ってふい、と顔を逸らす玲。
顔が少しだけ赤い。
「玲、顔赤いけど、大丈夫?」
「っ、平気。‥てか取れたから。」
「あ、ありがとう玲。」
そう言えば玲は下を向いたまま、コク、と頷く。
そんな玲に藍ちゃんが口を開いた。
「‥弱虫。」
「っ、うっせえ。」
そう言って顔を上げる玲の顔は、もう赤くなくて。
「…‥あ、」
そんな玲の後ろの方、
私の視界に入ったのは王子様。
ドキッ、とワザとらしい位音を奏でる私の心臓。
王子はいつもの様に頬杖を付いて、誰かと談笑していて。
蜂蜜色の髪が一際目立つ。
王子の反対側に座っている相手は、横の髪を耳に掛けているクールそうな男の子。
2人とも、何だか雑誌に載っていそうな雰囲気だ。
いつもは周り何て気にならない筈なのに、何故か今日は視界に入った。
「あの席の人達が気になってるの?鈴ちゃん。」
私の視線の先に気付いた藍ちゃんが、そう言って私に微笑みかける。
「へ、あ、いや、そんなんじゃ、ないけど。」
「何あからさまに動揺してんだよ。」
何て玲にケラケラと笑われた。

