─ キーン、‥コーン、カーン、
「んんーっ、お昼だぁあ!」
そう言って伸びをして、四限目までやり遂げた自分を“すごい”と内心で褒める。
そんな私を見て、またクスクス笑う隣の王子様。
「ははっ、君って見ていて飽きない。」
「へ、そ、そうかな、‥?」
「うん。昼食でこんな風に喜ぶ女の子何て初めて見たよ。」
何て頷きながら、楽しそうに笑っている。
何だか恥ずかしくなって、私は下を向いた。
「あ、別に悪い意味じゃないんだ。…その、面白いなって思って。」
「‥へ…?」
「表情がコロコロ変わって、面白い。」
何て指差してまた嬉しそうに笑う。
朝のあの態度が嘘のように、王子様は私と気さくに話をしてくれていて。
話し掛けれない何て、そんなのは嘘だ。
だって、こんなにも優しく笑ってくれる人なのに。
「というか、突然そんな事言われたら焦っちゃうね、ごめん。」
「え、あ、いや全然っ、」
「日本よりもイギリスの方が生活長いから、何かとハッキリ口にしちゃうんだ。」
そう言って“ごめん”と謝る。
何だかさっきから謝られてばかりで、少し笑えてきてしまった。
「ふふ、さっきから謝ってばっかりだね。」
「え?ああ、…確かに。」
そう言って納得した様に呟く。
「多分、こうやって人と会話する事はあまりないから、慣れてないんだきっと。」
「‥え、?」
「現にあんまり他の生徒とも会話しないしね。」
そう言って少し寂しそうな顔。
緑色の瞳に影が出る。
「やっぱ見た目がこんな風だから、話し掛けにくいのかな、とか。」
何て苦笑いをして。
その顔にキュッ、と胸が締まった。
「そんな事ない。」
「え?」
「皆分かってないだけよ。」
そう口を開いて、おどけたように笑ってみせる。
「初対面だけど分かるの。貴方すっごく良い人。‥だから大丈夫。」
それに皆話し掛けないのは、“見てるだけで貴方が目の保養になるから”何てそんな事は言えないから言わない。
すると彼は驚いた顔。
「そんな事、言われたのは初めてだ。…ありがとう。」
甘い甘いその優しい声で囁いて、彼は満面の笑みで微笑んだ。
「‥っ、うん。」
ズルい。そんな風に笑うのは。
私まで、他の子の様に夢中になってしまうじゃないか。

