「ちょっと鈴ちゃん!」
「うわっ、あ、藍ちゃ、っ、」
突然飛びかかってきた藍ちゃんに、私はよろけてしまいそうになる。
藍ちゃんの目はキラキラしていて、私は訳が分からなかった。
「あ、藍ちゃん、…?」
「こっち、こっち来て。」
そう言って私をぐいぐい引っ張る。
ど、どうしたの?
藍ちゃんは自分の机まで私を引っ張って、私の耳元に唇を寄せる。
「どうやってあの王子と仲良くなったの?」
「え、いや別に仲良くなった訳じゃ…。」
「でもいつもポーカーフェイスを崩さないあの間宮秋(マミヤアキ)が笑うなんてただ事じゃないわよ?」
そう言って驚いた様な顔で私を見る。
それよりも私は、あの王子の名前を今初めて知った。
マミヤアキ。間宮秋。
もう少し外人寄りの名前かと思ってたから、少し驚いた。
「で、どうやって仲良くなったのよ?」
「いや、そういうんじゃないよ。」
「じゃあどういう事なの?」
「ただ、さっきの現代文の答え教えて貰ったから、お礼言っただけ。」
そう言えば突然顔がニヤニヤしだす藍ちゃん。
私の肩を軽く小突いてくる。
「へえ?本当にそれだけ?」
「っ、それだけだよ!だって今日初めて会った人なんだよ?」
そう。
私と王子は今日が初めて会った仲だ。
なのに、そうすぐ仲良くなれる訳がない。
そう口を開けば、
「なるほど。王子の方が脈ありって事かな、これは。」
「…え、‥脈あり…?」
「こっちの話よ。」
何て意味不明な事を呟いて、嬉しそうな顔をする藍ちゃんに、私は首を捻った。

