何をしている時でも、リカと子供の事が頭から離れない。



右のポケットに入れた鳴る事のない携帯が、振動する錯覚を起こしては、仕事を中断してしまう。



そして、深いため息を何度となく吐き出す。






リカは俺の全てだった。



何故あの時、自分の事しか考えられなかったのか・・・


命に変えてでも、守りたいと、リカを抱きしめる度に強く思っていたのに・・・



自分の愚かさを悔いても、リカは戻っては来ない。




もし、謝る事が出来るのなら、


もう一度、抱きしめる事が出来るのなら・・・





残りの人生を全て賭けて、取り戻したい。




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