男の子は何か言いたそうな顔をしていたけれど、私の足を見て、「………足…」と、呟いた。
足?
疑問に思い、向かれてる目の先を追って見てみると、自分の足が血に染まっていた。
わっ!!何これ!!いつの間に…
「まぁ、裸足で走ってたらそーなるよね。逃げてたみたいだしね。」
と、
「おい、ハルキ。用が済んだなら行くぞ。」
男の子の更に後ろから低く、冷たい声がした。
感情の籠っていない声。
姿が見えなくても少しビクッとしてしまった。
「相変わらずせっかちだな〜。
…ねぇ、アカリこの子倉庫に連れてこう。怪我してる」
「…ちっ。……とにかく早くしろ。追ってがくる」
ハルキと呼ばれた男の子は、男にそう言われるなり、私のことを担ぎ上げた。