「ぞろぞろと…ご苦労なことだなぁ?」



1番奥の、古びた机に胡座をかいているこいつこそが、狼牙の総長・高瀬麻人(タカセアサト)…。
黒髪は無造作に伸びていて、不気味な雰囲気に背筋がゾクッとする。



その隣には手足を縛られて横たわっている翔子さんの姿が。


所々に傷があるが軽傷か…
良かった…

最悪の事態すらも予想していた俺たちは安堵の息をついた。



が、

「てめぇ…人ん家の妹攫っといて地べたに寝かせたぁ、いい度胸だなぁ?」


今にも飛びかかりそうなツバサさんをハルキさんが必死に抑えている。

軽傷とは言え、無関係なツバサさんの妹に手を出したんだ。


俺たちだって黙っちゃいない。