『ごめんね、もう行かなきゃ。きっと治ってるからもう痛くないよ』


私はそう言って、戸惑う男の子を置いてお母さんの元に駆け寄った。




お母さんは私があの男の子に”力”を使ったことをわかっていたかのように


『凛、あなたの”力”はね、誰にでも使っていいものではないのよ。
あなたが心から大切だと思う人だけに使いなさい』



その時のお母さんはどこが寂しそうな顔をしていた。



だから私は

『じゃあ、りんはお母さんのために”力”を使うね!』


そう言ったんだ。


お母さんが嬉しそうに笑ったのを私は今でも覚えてる。