アカリは私の"力"について確信のある言葉を出してこないし、聞いてきたりもしない。


それが私には救いだった。




さっきまで真っ暗で怖かった海も不思議と怖くない。



だから____________、







『ありがとう…』





ポツリと呟いた言葉は、月で光る海へと消えて行った。



そんな私は重要なことを忘れていたのだ。



何故、アカリが昔の私の記憶が残っているのか______。


それは、私が"いなくなる"時に知ることとなる______……。