月が作っていた影はいつの間にか1つに。 パーカーからほのかに香る程度だったそれは今はダイレクトに感じる。 ぶわっと心臓が高鳴ると同時に、 前にも似たようなことがあったような…?? 「………くな」 『…え?』 「どこにも行くな」 もしかして、あの時の、 私の聞き間違いじゃなければ… 『あの時の、また会いたかったって、なに…?』 後ろから首元に回された、逞しい腕をぎゅっと掴んだ。 ……嫌な心臓の鳴り方をするのは今日2回目だ。