不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。上




月が作っていた影はいつの間にか1つに。


パーカーからほのかに香る程度だったそれは今はダイレクトに感じる。

ぶわっと心臓が高鳴ると同時に、



前にも似たようなことがあったような…??



「………くな」


『…え?』


「どこにも行くな」



もしかして、あの時の、
私の聞き間違いじゃなければ…



『あの時の、また会いたかったって、なに…?』



後ろから首元に回された、逞しい腕をぎゅっと掴んだ。


……嫌な心臓の鳴り方をするのは今日2回目だ。