こんなに走ったのはいつ振りだろう。
きっと、逃げてきた時振りだ。
『っ、はぁ…はぁ……っ……』
限界になった私は倉庫の近くにある海辺で足を止めた。
目の前に広がる海は夜のせいで真っ暗に見える。
その真っ暗な闇に飲み込まれそうになる恐怖に私は自分の身体をぎゅっと抱きしめた。
私の覚悟はまだ弱い。
けどそれは、みんなの人生を、未来を台無しにしてしまう可能性があるから______……
もう、
穏やかに揺れる波に身を任せてしまいたいと、思ったのは数知れない。
けどれそれはもう不思議と思うことはない。
だってみんなと一緒にいたいから。
みんなと一緒にここで笑っていたいから。



