朝。 目が覚めると、目の前には見知らぬ天井。 逃げて来たことが夢ではないことを実感する。 『(あーーー…)』 試しに声を出そうとしても、まだ薬か効果が切れていないらしい。 とりあえず、お礼を言って、ここから出よう。 こんなゆっくりしている場合じゃない。 包帯の巻かれた両足をそっと床につき、ベッドから出た。 ゆっくりとドアを開けて、昨日のソファーのあった部屋を覗いていると、 「おい。起きたならさっさとこっちこい」 アカリさんの声がして、急いで部屋から出た。