私としては…

『翔子ちゃんとだったから、楽しかったよ…?』



お喋りしながらするお皿洗いが楽しかったのは嘘じゃない。
だって翔子ちゃんは唯一の女の子のお友達だもの。


「リンちゃ〜〜〜んっ!!!」


ガバっと勢いよく抱きついてくる翔子ちゃんを必死に受け止める。


「おい、翔子。そろそろ帰るぞ!」


「あっ、公平!待ってよ!じゃあリンちゃん、また学校でね!」



公平くんに呼ばれた翔子ちゃんは颯爽と駆け出す。
〈また学校でね〉そんな一言が嬉しくて、頬が緩むのを我慢しながら手を振った。