不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。上





「”今は”な。

結構のめり込んでるみてーだから一つ忠告しといてやる。
あの女はなぁーー、簡単に言うと女神だ。

あ、いや、時に死神にもなるな、うん。

ようは普通の人間じゃない。
君達には荷が重いんだよ」



男は、うんうん。と、自分で頷き納得している。



いや、意味わかんねぇし、死神と女神って真逆すぎんだろ。
てか、俺たちは女神なリンリンしか知らねぇし。
死神なリンリンなんて微塵も想像できねぇ。
だって、あんな可愛い回し蹴りするリンリンだぞ??




「ざけんな、あいつはなぁ、酸素を吸って二酸化炭素を吐いてんだよ!
それやってたらみんな普通の人間だ!寝ぼけたこと言ってんじゃねぇ!!」



ツバサさんワールド全開な返しに、相手もおろか、俺たちまでポカンとしてしまった。




「ぶっ、ぶはははははははは!……ひーっひーっ、はぁ、おもしろい。
その調子じゃあ、リンからなにも聞いてないみたいだね。良かった良かった。」



ひとしきり笑ったスーツの男は笑いすぎて出た涙を拭う。



こいつらが、俺たちの知らないリンリンを知っている。
リンリンの過去を知っている。


リンリンのあの冷めた目の訳を知っている。


まるで「何も知らないお前らは仲間じゃない」と言われてるかのようで、




妙に腹が立ってきた。