不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。上





『ツバサ、髪の毛やって』



「っ、なんだよ珍しく頼んできやがって!しゃーねーなやってやるよ!こっち来い!!」



「喜んでんのモロバレだよツバサ」



「おまっ!!ハルキ!!うーせっぞ!!」



なんてハルキにキレつつ、手際よく私の髪の毛を結んでくれるツバサ。




『ツバサって見かけによらず器用だよね』



「…んまぁ、ガキの頃から翔子のやってたからな」



あ、そうだった。
このいつも失礼な男は、あのショートボブがすごい似合う翔子ちゃんのお兄様でらした。




『そっか、翔子ちゃん今髪の毛短いから残念だね』


「………そうだな」




鏡ごしに写るのは、思いつめたツバサの顔。


私、なんか良からぬことを言ってしまった…?


翔子ちゃんの髪の毛が短いのがそんなの悲しいの?
なんて思ったけど、ツバサの顔からしてそれだけじゃないことがわかった。



きっと昔、なにかあったんだね。ツバサ。