不思議な力を持つ女の子と暴走族の話。上




「そんなの今はどうでもいい。とにかくお前。全部の傷が治るまでこの部屋から出るな。母親探しも中止だ。」



『えっ?!』



アカリが、いいな?という目で見てくる。





別にいい…、別にいいけど…


逃げてきた時にできた傷はやっと傷口が塞がってきた頃で、その他にも擦りむいた膝の傷や、今日できた傷だってある。



それに加え、治るのに普通の人よりも倍かかる私の身体。



一体いつまで……

早くお母さんに会いたいのに…



「おい、そりゃねーだろアカリ。確かにこいつ傷だらけの姫だけど、囚われの姫にならせるつもりかよ」



だから姫じゃないってツバサ。




「そーだよアカリ。姫のリンちゃんにこれ以上傷増やしてもらいたくない気持ちはわかるけど」



いや、だからハルキ、私姫じゃないって。






姫じゃないし…………、



こんな、

守ってもらうほどの人間でもなんだよ…。